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2024-08-02 17:31:25
古民家リノベーションとは?魅力や種類・費用相場・注意点を徹底解説
古民家リノベーションには、古民家ならではのレトロな雰囲気を感じられたり、趣を残しつつ快適な住み心地が得られたりする多くのメリットがあります。リノベーションには一般的なリフォームのほか、一部を残してリフォームする方法や完全に解体してリフォームする方法などいくつか種類があり、費用相場が異なるのが特徴です。 当記事では、古民家や古民家リノベーションの概要、古民家リノベーションの魅力、費用相場、費用を抑えるポイント、注意点などを紹介します。古民家リノベーションに興味がある方や、工務店への依頼を考えている方は必見です。 ■目次
1.古民家リノベーションとは?古民家に関する明確な定義はないものの、一般的には「築50年を経過した木造軸組構法の伝統工法または在来工法の住宅」が古民家と呼ばれます。また、一般社団法人全国古民家再生協会では「建築基準法が定められた1950年時点ですでに伝統工法により建てられていた住宅」を古民家としています。 古民家の建造時期は遅くとも戦前であり、大正時代以前に建てられた古民家も少なくありません。そのため老朽化が進んでおり、そのまま住むには不安な点が多々あります。古民家リノベーションは、古民家らしい趣を残しつつ快適な住まいづくりを実現するためのリノベーションです。
2.古民家リノベーションの魅力快適な住まいを手に入れるだけであれば、まず新築住宅やリフォーム済みの中古住宅が選択肢に入るでしょう。しかし古民家には新築住宅や中古住宅では味わえないメリットがたくさんあり、古民家をリノベーションして住む人も少なくありません。 次に、古民家リノベーションのおもな魅力について解説します。
2-1.古民家ならではのレトロな雰囲気がある年数がたった木材特有の落ち着いた色合いと質感は、古民家ならではの魅力の1つです。天然素材である木にはリラックス効果があり、伝統的な和風の内装は多くの人を懐かしい気持ちにさせてくれます。 古民家では柱や梁の大部分が露出しており、木材本来の質感や形がそのまま生かされていることが少なくありません。木材の質感や形をなるべく生かすことで、壁や家具などを新調した後も古民家らしいレトロさを演出しやすくなります。
2-2.普遍的なデザインで流行に左右されない服と同じく住宅にもトレンドがあり、トレンドを取り入れることで生活空間がおしゃれになり生活の利便性も高まります。しかし、トレンドにこだわりすぎた住宅はいずれ流行遅れになるばかりか、ライフスタイルの変化などによって住みにくくなるリスクもゼロではありません。 そもそも古いものである古民家は、トレンドに左右されない魅力を持っています。年月がたっても飽きる心配がなく一層趣深くなる古民家は、長く住み続けたい人にもぴったりです。
2-3.歴史的価値がある古民家を保護できるひとくちに古民家と言っても、家の構造や建材は地域によってさまざまです。古民家の活用は、地元の伝統文化や生活の知恵を次世代へ伝えるためのよい機会となります。古民家をカフェや宿泊施設などとして活用し観光客へアピールすることで、さらなる地域活性化につながる可能性もあります。 また、古民家を残すことは貴重な資材を保護するためにも重要です。古民家の柱や梁には樹齢数百年の立派な木材が用いられることも珍しくなく、同じ木材を再び用意することは簡単ではありません。古民家の柱や梁を残すリノベーションは、古材のリサイクルや解体時の廃棄物削減にも役立ちます。
2-4.趣を残しつつ快適な住み心地が得られる古民家には「冬は寒くなりやすい」「耐震性や気密性が低い」などのデメリットがあるものの、ほとんどはリノベーションによってカバーできます。古民家らしい趣を残しつつデメリットをなくすことで、長く住み続けられる家づくりを実現できます。 古民家をリノベーションする場合、特に劣化が早く冷え込みやすいトイレ、キッチン、浴室などを重点的に改修することが少なくありません。高齢者や小さい子どもなどがいる場合は、段差をスロープにしたり階段に手すりをつけたりするバリアフリー工事もおすすめです。
2-5.自然と共生する暮らしができる古民家に用いられる木材や土壁には吸湿性があり、室内の温度や湿度を快適に保つ作用があります。また、障子やふすまを開け放って家中に風を通せるのも古民家のメリットです。エアコンなどを使って室内を快適に保つこともできますが、古民家特有の構造と天然素材の力によってより快適かつエコな生活を実現できます。 多くの古民家は自然豊かな郊外にあり、日常生活の中で四季を感じられます。広い庭がある古民家も多く、家庭菜園やガーデニングなどにもぴったりです。
2-6.固定資産税を抑えられる不動産を取得すると、固定資産税の納税義務が発生します。建物の固定資産税は建物自体の評価額によって決まるため、基本的に築年数が古い建物ほど安くなります。固定資産税額は原則として固定資産税評価額×標準税率1.4%で、古い木造住宅は経年減価補正によって最大80%減額されます。 さらに多くの古民家が比較的地価の安い土地にあることも、固定資産税を抑えやすい理由の1つです。
3.古民家リノベーションの種類古民家リノベーションにはいくつかの方法があり、建物の状態や使用目的によって適切な方法が異なります。最低限の工期とコストで快適な暮らしを実現し、かつ長く住み続けるための第一歩として、古民家リノベーションの種類について知っておくと安心です。 ここからは、古民家リノベーションの種類を4つ紹介します。
3-1.一般的なリフォーム古民家以外の住宅にもよく実施されるリフォーム工事では、水回りの設備や床、外壁など一部の設備のみを新しくします。独特の趣を残すため、リフォーム後のデザインを古民家らしくするとよいでしょう。 ただし、このリフォーム方法は劣化やゆがみの激しい古民家には不向きです。建物の老朽化が激しい場合は、安全性向上のために他のリフォーム方法を検討しましょう。
3-2.半解体再生リフォーム半解体再生リフォームは、古民家の屋根・壁・床を取り外して構造体を修正または補強してから再度組み立てる方法です。一旦骨組みのみの状態にするため、スケルトン解体再生リフォームとも呼ばれます。古民家の原型を生かしつつ建物のゆがみや床の沈みなどを修正でき、古民家リフォームにおいて多く採用されています。丈夫なコンクリート基礎を作って建物全体の強度を高めることも可能です。
3-3.全解体再生リフォーム全解体再生リフォームは、古民家を完全に解体して構造体やその他の部材をクリーニングしてから再度組み立てる方法です。全解体再生リフォームが必要な古民家では多くの場合構造体が劣化しており、古い構造体を新しい構造体で補修・補強してから組み立てます。多くの部材をリサイクルしつつ新しい部材を用いることで、古民家らしさを残しつつ耐震性や気密性を高めることが可能です。
3-4.移築再生リフォーム移築再生リフォームは、古民家の場所を移動してからリフォームする方法です。もとの古民家の部材をほぼすべて再利用する場合は完全移築リフォーム、古民家の部材の一部と新しい部材を使う場合は部分移築リフォームと呼ばれます。また、強度が高い構造体のみを再利用する構造体移築リフォームも部分移築リフォームの一種です。 他府県への移築も可能な移築再生リフォームでは、「思い入れのある実家で暮らしたいが、仕事があり都会から離れられない」といったニーズにも応えられます。
4.古民家リノベーションの費用相場古民家リノベーションの費用相場は、工事内容によって大きく異なります。リノベーション方法ごとの大まかな費用相場は、次の通りです。
一般的なリフォームの工事内容は古民家以外の住宅のリフォームと大差なく、他のリフォーム方法と比べて工事を要する部分が少ないため、数百万円から始められます。半解体再生リフォームの場合、古民家のどの部分がどれだけ劣化しているかによって工事内容や費用が大きく変わります。 全解体再生リフォームは一般的なリフォームや半解体再生リフォームと比べて工期が長く、費用も高めです。全解体再生リフォームと同じ工事に加えて部材の長距離運搬を要する移築再生リフォームは、全解体再生リフォームよりもさらに工期とコストがかかります。
5.古民家リノベーションの費用を抑えるには?古民家リノベーションには高い費用がかかりますが、工夫次第で費用を抑えられます。工事の進め方や依頼先を厳選し、補助金制度や減税制度をうまく活用しながら、効率よくリノベーションプランを立てましょう。
5-1.使える部分は残してリノベーションする古民家の多くは老朽化が進んでいるものの、すべての構造体や設備が使えないわけではありません。使える部分はできるだけ残して古くなった部分や使いにくい部分だけをリノベーションすることで、余分な出費を抑えやすくなります。 工務店によっては、設備や建材を依頼主自身が用意する「施主支給」も可能です。もともと住んでいた家の設備や安く譲り受けた設備を転用したり、安い設備を自分で探して購入したりしてもコスト削減に役立ちます。
5-2.補助金を活用してリノベーションする古民家リノベーションに活用できる補助金は、耐震・省エネ・バリアフリーに大別されます。それぞれの補助金について、国や自治体の事例とともに解説します。 古民家は耐震基準が強化された1981年以前に建てられており、耐震性が十分ではない場合がほとんどです。安心して暮らし続けるためにも、住宅の耐震診断や耐震補強工事の補助金制度を活用しましょう。 【耐震補強に関する補助金】 ・長期優良住宅化リフォーム推進事業 住宅性能向上などを目的として改修工事を行い、かつ工事後の住宅性能が一定の基準を満たすと、最大80万円の補助金が支給されます。購入した住宅をリフォームする場合などは最大50万円が加算されます。 ・ひょうご住まいの耐震化促進事業 兵庫県では、住宅の耐震性向上を目的とした建て替え工事や改修工事に対して、補助金を支給しています。補助金額や補助内容の詳細は自治体によって異なりますが、簡易耐震診断の結果に沿って工事内容を決定し、工事契約前に自治体窓口へ申請することが受給の条件です。 ・旧耐震の耐震診断費用の助成 足立区では、1981年5月以前に建てられた木造住宅に対し、耐震診断費用と耐震改修工事費を補助しています。木造戸建住宅の耐震診断費用補助額は最大30万円、耐震改修工事費の補助金額は工事費用の9割または150万円のいずれか少ない額です。 気密性の低い古民家で夏は涼しく冬は温かい空間づくりを叶えるためには、断熱対策が欠かせません。リフォームによって住宅の断熱性を高めることで電気代を抑えやすくなり、省エネや省CO2化にも役立ちます。 【省エネに関する補助金】 ・既存住宅における断熱リフォーム支援事業 既存住宅に対し、高性能建材を用いた断熱改修工事を支援します。戸建住宅は120万円/戸を上限に補助対象経費の1/3の金額が支給され、工事内容によってはさらに加算されます。 ・子育てエコホーム支援事業 エコホーム支援事業者との契約によって行われる開口部や外壁などの断熱改修工事が補助対象となります。最大合計補助額は20万円で、一定の条件を満たすと最大60万円まで引き上げられます。 ・戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業 ZEH住宅とは、太陽光発電や省エネ設備などの活用によってエネルギーの生産量が消費量を上回る住宅です。戸建住宅の断熱リフォームを行う場合、工事費の1/3を補助します(上限120万円/戸)。また、蓄電池などを設置すると補助が加算されます。 高齢者の事故の多くは家の中で発生すると知られており、小さな段差や滑りやすい床などが事故につながることも少なくありません。高齢の家族と同居する場合は、補助金を活用してバリアフリー化もしておくと安心です。 【バリアフリーに関する補助金】 ・介護保険による住宅改修費支給 要介護者などがいる家のバリアフリー改修工事に対し、工事費が補助されます。補助金額は、支給限度基準額の9割となる18万円が上限です。制度を利用したい場合は、担当のケアマネジャーなどに相談しましょう。 ・高齢者住宅改修費給付事業 大阪市の高齢者住宅改修費給付事業は、日常生活の利便性向上を目的として介護保険による住宅改修と同時に行われ、かつ介護保険による住宅改修費用の給付対象外となる工事が補助対象です。市民税課税世帯に対しては工事費用のうち最大5万円、市民税非課税世帯などに対しては最大30万円が補助されます。ただし、高齢者本人が市民税納税者の場合は対象外です。 ・介護予防高齢者住環境改善支援事業 さいたま市では、要介護・要支援認定を受けていない高齢者のいる世帯で、転倒事故防止などのための住宅改修工事費用を補助しています。介護保険料第2段階までの場合は対象経費と同額または15万円、第3段階以上の場合は対象経費の2/3または10万円のいずれか少ない額が補助されます。
5-3.減税制度を利用してリノベーションする耐震、バリアフリー、省エネ、同居対応、長期優良住宅化などを目的としてリフォームを行うと、減税制度を利用できます。所得税の減税制度は次の3種類に大別され、利用するローンや工事の種類によって利用できる制度および控除額が変わります。 ・リフォーム減税(投資型減税) ローンを利用しない、または償還期間5年未満のローンを使用する場合に利用できます。控除期間は1年です。 ・リフォーム減税(ローン型減税) 償還期間5年以上のローンを使用する場合に利用できます。控除期間は5年です。 ・住宅ローン減税 償還期間10年以上のローンを使用する場合に利用できます。控除期間は10年です。 「耐震工事とバリアフリー工事」などのように複数の対象工事を行った場合、それぞれの工事に対応する減税制度を併用できる場合があります。また、所得税の控除制度と固定資産税の減額制度の併用も可能です。親や祖父母などから贈与された古民家に住む場合は、贈与税の非課税措置も忘れずにチェックしましょう。
5-4.優先順位を決める予算にあまり余裕がない場合、無理に家全体を改修する必要はありません。リノベーションのコストを抑えたい場合は、はじめに優先順位を決めるのがポイントです。保存状態のよい部屋などは、内装を新調するだけで使いやすくなることも少なくありません。 また、長期間かけて徐々にリノベーションすることも1つの方法です。まずは老朽化しやすい水まわりやよく使う部屋などに絞って改修し、ライフスタイルの変化に合わせて段階的に改修することも検討しましょう。
5-5.地元のリフォーム店に依頼する大手工務店ほど宣伝広告費や人件費をかけていない地元工務店にリノベーションを依頼すれば、コスト削減に役立ちます。土地の特性や気候に合うプランを提示してもらいやすいほか、地元の建材を使って輸送費を抑えられるのも大きなメリットです。 また、自社施工店が多いのも地元工務店の特徴です。自社施工店に依頼すれば下請け業者への支払いが発生せず、さらに打ち合わせや連絡もスムーズにできるため、より工事の満足度を高めやすくなります。古民家が多い地域であれば、古民家リフォームの施工実績が多い工務店を探しやすいでしょう。
6.古民家リノベーションで注意するポイント古民家をリノベーションする際に耐震補強や断熱工事を検討すべき場合は多々ありますが、その他にもいくつかの注意点があります。古民家のリノベーションにあたってチェックしたいポイントは、次の通りです。 ・見えない部分の劣化に注意する 古民家には、軽い内見だけでは気づきにくいシロアリ被害や屋根裏の雨漏りなどのトラブルもありえます。入居後に新たなトラブルが見つかるのを防ぐため、事前にプロへ依頼してよく確認するのが大切です。 ・長く住み続けたい場合は、バリアフリー工事も検討する 高齢の同居家族がいない場合も、バリアフリー工事がいらないとは限りません。古民家には段差の大きい階段や上がりかまちなどが多く、バリアフリー工事を検討しておくことで自分や家族の老後の不安軽減に役立ちます。 ・一般的なリフォームよりも工期がかかる 古民家に多く用いられる太い建材や製材されていない建材の取り扱いには、高い技術が必要です。さらに建築当時の情報が残っていなかったり大規模な改修を要したりするケースが多いため、古民家のリフォーム工期は長くなる傾向があります。 ・リノベーションしやすい古民家を探す 工事費用や手間を減らすには、劣化具合や耐震性の入念なチェックが欠かせません。また家の外観や間取りが好みに合うかも、長く暮らし続けるために重要なポイントです。できるだけ好みに合う古民家を探すことでそのまま活用できる部分が増え、リノベーションのコスト削減に役立ちます。
まとめ古民家リノベーションは、古民家の持つ独自の魅力を最大限に引き出しつつ、現代の生活に合わせた快適な住空間を得られるリノベーションです。古民家リノベーションには、一般的なリフォームや半解体再生リフォーム、全解体再生リフォーム、移築再生リフォームなどの種類があります。 狭山不動産では、埼玉県(狭山市・入間川・所沢・川越市・飯能市・日高市)に密着した住宅のリフォームを承っています。埼玉県内で古民家リノベーションをご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。 |