不動産コラム

2026-10-18
【所沢市】親が住んでいた家を売る前に確認したいこと|相続・残置物・名義を整理

公開日:2026年10月18日

所沢市で親が住んでいた家を売る前に確認する相続・名義・残置物の3項目

親が亡くなり、所沢市の実家を売却したい。あるいは、親が介護施設へ入居し、誰も住まなくなった家をどうするか考えている。このような場合、何から始めればよいのでしょうか。

親が住んでいた家を売る前に、まず確認したいのは、「誰が所有している家なのか」「誰が売却を決められるのか」「家財や必要書類をどう整理するのか」という3点です。親が存命か、すでに相続が発生しているかによって、必要な手続きは異なります。

この記事では、所沢市で親が住んでいた家の売却を検討している方へ、名義・相続人の確認、相続登記、残置物の整理、空き家の管理、売却時の税金と期限を解説します。片付けや修繕を急ぐ前に、必要な確認事項を整理しましょう。

 

1.親の家を売る前に最初に確認するのは誰の名義か

親が存命の場合と相続後では売却前の確認手順が異なることを示す比較図

親が住んでいた家を売却する場合、最初に土地と建物の所有者を確認します。親が存命なら原則として所有者本人の意思確認が必要であり、亡くなっている場合は相続人と相続登記の状況を確認する必要があります。

登記事項証明書を取得すると、土地・建物の登記名義人や共有持分、抵当権などの登記内容を確認できます。土地と建物で名義人が異なる場合もあるため、それぞれ調べておきましょう。

親・家の状況売却前に確認すること
親が存命土地・建物の名義と、所有者本人の売却意思・判断能力を確認する。
親が亡くなっている遺言書、相続人、遺産分割、相続登記の状況を確認する。
親族の共有名義共有者と持分を確認し、家全体を売却する場合は原則として共有者全員の同意を得る。

親が存命の場合は、本人の意思を確認する

親が介護施設へ入居していても、家の所有者が親であれば、子どもが自分の判断だけで売却できるわけではありません。本人に売却の意思があり、契約内容を理解して判断できるかを確認します。

認知症などで判断能力が不十分な場合は、成年後見制度などの利用を検討することがあります。成年後見人等が本人に代わって居住用不動産を売却する際には、家庭裁判所の許可が必要です。

本人が現在は施設などに入所していても、入所前に住んでいた家や将来居住する可能性がある家は、居住用不動産に該当する場合があります。

出典:裁判所「成年被後見人(被保佐人、被補助人)の居住用不動産の処分についての許可」

相続が発生した場合は、遺言・相続人・名義を整理する

親が亡くなっている場合は、遺言書の有無を確認し、戸籍などを用いて相続人を調べます。遺言書による指定がなく、相続人が複数いる場合は、誰が不動産を取得するかについて遺産分割協議が必要になることがあります。

たとえば、兄弟姉妹が相続人となる家でも、1人が単独で取得するのか、複数人で共有するのかによって、その後の売却手続きが変わります。家を売った代金の分け方だけでなく、登記名義を誰にするかも確認が必要です。

相続登記は2024年4月1日から義務化されています

相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から、原則3年以内に相続登記を申請する必要があります。

2024年4月1日より前に発生した相続も対象です。施行前から相続による取得を知っていた場合、原則として2027年3月31日が期限となります。取得を知った時期などによって期限は異なります。

また、遺産分割が成立した場合には、その成立日から原則3年以内に、遺産分割の内容を踏まえた登記を申請する義務があります。

正当な理由なく登記義務に違反した場合、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

相続登記が済んでいなくても、売却査定や事前相談はできます。ただし、買主への所有権移転を行うには、必要な相続登記などを整える必要があります。

遺産分割がまとまらない場合や相続人の確認が難しい場合は、司法書士・弁護士などの専門家へ相談しましょう。

出典:法務省「相続登記の申請義務化について」

 

2.残置物は全部捨てず、3つに分類して整理する

実家の残置物を保管・処分検討・条件確認の3つに分類する図

親が住んでいた家に家具や生活用品が残っていても、売却相談の前にすべて処分する必要はありません。まずは「保管するもの」「処分を検討するもの」「売却条件を確認するもの」に分けましょう。

残置物とは、家の中や敷地内に残された家具・家電・生活用品などを指します。売却するときに何を残し、何を撤去するかは、買主との契約条件にも関わります。

区分具体例確認すること
保管権利証・登記識別情報、売買契約書、図面、写真、貴重品売却手続きに必要な書類や家族の思い出の品を先に取り分ける。
処分を検討使わない家具、衣類、寝具、日用品処分について家族・相続人で確認し、費用と方法を整理する。
売却条件を確認エアコン、照明、給湯設備、造作家具、物置付帯設備として残すか撤去するか、不動産会社と確認する。

相続人が複数いる場合は、処分前に合意を取る

亡くなった親の家財にも財産的価値があるものが含まれる場合があります。高価な品物や思い出の品を、相続人の1人が独断で処分すると、後からトラブルになる可能性があります。

売却を前提とした片付けであっても、処分するものの確認と費用負担について相続人間で話し合い、必要に応じて記録を残しておくと整理しやすくなります。

また、相続放棄を検討している場合は、財産の処分が法的判断に影響することもあるため、片付けを進める前に専門家へ確認してください。

設備や書類は、査定前に処分しない

建築確認関係書類、購入時の売買契約書、リフォーム履歴、設備の保証書などは、建物の状態や売却条件を説明する際に役立つ場合があります。

また、エアコンや照明などは買主が引き継ぐことを希望する可能性もあります。撤去費用をかける前に、設備の状態と売却方法を確認しましょう。

片付けを急がない方がよいもの

  • 権利証・登記識別情報などの登記関係書類
  • 購入時の売買契約書や領収書
  • 建築図面・確認済証・検査済証
  • 修繕・リフォーム・設備交換の記録
  • 預金関係書類、貴重品、家族で保管を希望するもの

残置物の量によっては、撤去にまとまった費用がかかります。家財が残った状態で査定を受け、売却方針や必要な撤去範囲を確認してから作業する方法もあります。

 

3.所沢市の実家で確認する建物・敷地・ごみ処分

所沢市の実家で屋根・外壁、設備・雨漏り、庭木・雑草、ごみの出し方を確認する図

所沢市で親が住んでいた家を売る際は、建物内部だけでなく、敷地や周囲の状態も確認しておきましょう。長期間誰も住んでいない住宅では、雨漏り、設備の不具合、庭木の繁茂などに気付かないことがあります。

ただし、査定前に大規模な修繕やリフォームをする必要があるとは限りません。現在の状態を把握し、どこまで手を加えるかは売却方法と費用を比較して判断します。

建物と土地で確認したいこと

  • 屋根・外壁:雨漏りの痕跡、ひび割れ、目立つ劣化の有無
  • 室内設備:給排水設備、給湯器、電気設備の状態
  • 庭と外回り:雑草、庭木、塀、擁壁、物置の状態
  • 土地:境界標の有無、隣地との境界、道路との接続状況
  • 書類:建築時期、増改築履歴、土地・建物の登記内容

土地・建物の状態だけでなく、道路条件や法令上の制限も売却価格に関わります。駅からの距離や周辺の利便性が近い物件でも、敷地形状、接道、建物の維持状態などによって査定価格は変わります。

所沢市では多量の家庭ごみの処分方法に注意

実家を一度に片付ける場合、通常の家庭ごみとは処分方法が異なることがあります。

所沢市では、引越しなどで一時的に多量に出るごみについて、通常の集積所での収集には対応していません。自分でクリーンセンターへ搬入するか、市の許可を持つ一般廃棄物収集運搬業者へ依頼する方法が案内されています。

クリーンセンターへ多量のごみを持ち込む場合は、事前連絡などの注意事項も確認してください。

また、テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法に基づく処理が必要です。通常の家庭ごみとして処分できない品目もあるため、残置物の種類ごとに適切な方法を確認しましょう。

出典:所沢市「引越しなどで多量のごみが出るときには」

出典:所沢市「廃棄物処理業者のご案内(一般廃棄物)」

売却時期が決まらない場合も管理を続ける

相続人の話し合いや名義変更に時間がかかる間も、空き家の状態確認は必要です。雨漏りや敷地内の雑草、郵便物の滞留などを放置しないよう、管理方法と担当者を決めておきましょう。

所沢市では、空き家の売却・賃貸・解体・相続・維持管理などについて相談できる「空き家利活用等ワンストップ相談事業」も案内しています。相談対象や相談事業者は、市の公式情報で確認できます。

出典:所沢市「空き家利活用等ワンストップ相談事業」

 

4.相続した家の売却で確認する税金と期限

親から相続した家を売却する場合、譲渡所得に関する税金や特例の適用条件を確認します。売却価格の全額に税金がかかるわけではなく、売却によって生じる譲渡所得を基に計算します。

譲渡所得は、原則として売却代金から取得費や譲渡費用などを差し引いて求めます。相続した土地・建物の取得費は、原則として親が購入したときの取得費を引き継いで計算するため、購入時の契約書や領収書が残っていないか調べましょう。

取得費が分からない場合などには、売却金額の5%相当額を概算取得費として計算できる制度もあります。ただし、実際の取得費が確認できる場合と比べて税額が変わる可能性があるため、安易に処分せず購入時の資料を探すことが大切です。

出典:国税庁「No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」

相続した空き家の3,000万円特別控除

相続した一定の空き家を売却するとき、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。これは売却代金から3,000万円が差し引かれる制度ではなく、課税対象となる譲渡所得についての特例です。

2026年10月現在、制度の主な確認事項は次のとおりです。

確認項目主な内容
建築時期原則として1981年5月31日以前に建築された家屋が対象。
建物の種類・居住状況区分所有建物登記がされた建物は対象外。原則として相続開始直前に親以外の居住者がいないことなどが必要。
売却期限相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ2027年12月31日までの譲渡。
売却代金原則として1億円以下。分割売却などでは合算判定が必要な場合がある。
建物の状態一定の耐震基準への適合や取壊しなどについて、売却方法に応じた要件がある。
控除額最高3,000万円。ただし、2024年1月1日以後の譲渡で対象となる相続人が3人以上の場合は最高2,000万円。

親が老人ホーム等へ入居していた場合でも、要介護認定等や入居後の家屋の利用状況など、一定の要件を満たせば特例の対象となることがあります。

また、2024年1月1日以後の譲渡では、譲渡の翌年2月15日までに一定の耐震改修や家屋の全部の取壊し等を行う場合も、所定の要件を満たせば特例の対象となります。

対象となる家屋や敷地については、相続後の居住・貸付け・事業利用の有無、売却相手との関係、他の税制特例との併用制限なども確認が必要です。

特例の適用には確定申告が必要です。売却前に建物を取り壊す場合や、相続後の家の利用状況が変わっている場合は、税務署・税理士へ条件を確認してください。

出典:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

所沢市で必要となる確認書

この特例の申告に必要となる書類の一つが「被相続人居住用家屋等確認書」です。

所沢市内の対象家屋については、所沢市が確認書の交付申請を受け付けています。相続人が複数いる場合は、相続人ごとに申請書を作成する必要があります。

所沢市の案内では、確認書の交付まで、申請書の提出から概ね1週間から10日程度かかるとされています。書類の不備や確定申告時期の混雑によって、さらに時間を要する場合があります。

この確認書の交付自体が、税制特例の適用を保証するものではありません。確定申告の前に必要書類と適用条件を確認しておきましょう。

出典:所沢市「空き家の発生を抑制するための特例措置について」

 

5.売却までに整理する書類と進め方

親が住んでいた家の売却準備は、名義や相続関係の確認から始め、家の現況と残置物、税制の条件を整理して進めると、必要な作業を判断しやすくなります。

次の順番で、分かっていることと未確認のことを整理しましょう。

  1. 所有者を確認する:土地と建物の登記事項証明書を確認し、親が存命か、相続が発生しているかを整理する。
  2. 相続関係を確認する:遺言書、相続人、遺産分割、共有関係、相続登記の進捗を確認する。
  3. 家と家財の現況を把握する:建物の不具合、敷地の状態、残置物の量、必要書類の保管状況を確認する。
  4. 費用と期限を確認する:登記費用、残置物撤去費用、測量・修繕の要否、税制特例の期限を整理する。
  5. 査定と売却方法を比較する:家の状態や希望時期に応じ、仲介売却や不動産会社による買取などを検討する。

売却相談の際に手元にあると役立つ書類

書類・情報確認する目的
登記事項証明書所有者、共有持分、抵当権などを確認する。
固定資産税の納税通知書・課税明細書土地・建物の情報や課税状況を整理する。
購入時の売買契約書・領収書取得費の確認や譲渡所得の計算に役立てる。
建築図面・建築確認関係書類建物の規模、建築時期、増改築の状況を確認する。
遺言書・相続関係書類相続人や不動産を取得する人を確認する。
修繕・リフォーム履歴建物の状態や維持管理の内容を伝える。

書類がすべて揃っていなくても、査定や売却前の相談はできます。相続手続き中で売却時期が未定の場合も、現在の状況と不明点を伝えることで、先に確認すべき事項を整理できます。

所沢市で親の家の売却を相談するなら

所沢市の実家を売却する場合、相続関係の手続きと不動産としての売却準備は分けて考える必要があります。

相続登記などの法律上の手続きは司法書士・弁護士、税制や申告は税理士・税務署、不動産の売却方法や価格は不動産会社が主な相談先となります。

狭山不動産は所沢店を設け、所沢市の不動産売却相談に対応しています。すぐに売る予定がなくても、家の現況や名義の状況を踏まえ、売却査定や相場確認、売る前の相談を検討できます。

所沢市の不動産売却・査定・相談はこちら

 

6.よくある質問

親の名義のままでも、売却査定を依頼できますか?

はい。相続登記前でも査定や売却相談はできます。ただし、実際に売却して買主へ引き渡すためには、相続人の確定や必要な相続登記などの手続きを整える必要があります。

兄弟姉妹で相続した家は、1人の判断で売れますか?

家全体を売る場合、共有名義なら原則として共有者全員の同意が必要です。遺産分割前なら、誰が相続するかや売却代金の分け方を相続人間で整理します。

家財が残っていても売却相談できますか?

はい。荷物が残った状態でも相談できます。遺品・重要書類・付帯設備を確認し、何を撤去するか、費用を誰が負担するかは売買条件を決める前に整理しましょう。

親が施設に入居した家を、子どもが売ることはできますか?

親が存命で所有者なら、原則として親本人の意思確認が必要です。判断能力が不十分な場合は成年後見制度などを検討します。後見人等が本人の居住用不動産を売却するには、家庭裁判所の許可が必要です。

相続した実家には3,000万円の特別控除が使えますか?

一定の建築時期、居住・利用状況、売却期限、耐震性などの要件を満たす場合に適用できる可能性があります。2024年1月1日以後の譲渡で対象となる相続人が3人以上の場合は控除上限が2,000万円です。税務署・税理士に個別確認してください。

 

まとめ

所沢市で親が住んでいた家を売却する際は、片付けやリフォームを始める前に、所有者・相続人・名義の状況を確認しましょう。

親が存命の場合と相続後では必要な手続きが異なります。また、残置物の処分、建物・敷地の管理、相続登記や税制の期限についても整理が必要です。

売却に必要な手続きが終わっていなくても、現状の確認や査定から始めることはできます。相続人間の合意や専門家への確認が必要な事項を見極めながら、売却時期と方法を検討しましょう。